1990年、今から３１年前に製造された高品質なゲルトナーライアーです。写真８番目にラベルが写っていますが製造年月日が1990年です。この頃の製品は沢山つくっていなかったので、とても良質な材木を選んで製作しています。30年経過して材木も塗装もよく乾燥し全体の調和が整って素晴らしいサウンドを出します。 定価は30万円～35万円ぐらいで日本では売られていたと思います（定かではありません）。合板（ベニヤ）材を使用せず、全て単板（むく板）で作られている半音付き高級タイプです。弦は低音ソーラの２７弦タイプです。 表板　無垢スプルース 、裏板　無垢楓（かえで）、　無垢メイプル（かえで）。 付属品　チューニングレンチ　専用ハードケース。 楽器全体に小傷がありますが、全所有者の方が、一生懸命練習して、次の高級バージョンへ移られた努力の成果ではないでしょうか。勲章だと思ってやって下さいね。 写真10番目　：　細長い横板上にベルトピンを外した４㎜前後の跡を埋めたヶ所が１ヶ所あります。 写真９番目、10番目　：　トップ板上部に打痕（だこん）が見られます。 写真には写っていませんが小さな打痕（だこん）もあります。全体には30年経過した勲章にあたいするスレや小傷があります。 以上がこの楽器の外観上の説明です。サウンドは、全体が無垢の高級材木から作られたバージョンゆえに芯のあるしっかりしたものです。音の粒立ちも良く遠方へ届く力を持っていいます。最近つくられた製品も良いのですが、この楽器はもっと乾いたぬけの良いサウンドを醸し出しています。 全所有者の方が一生懸命練習して使われてきた楽器ですから、説明した以外にも小傷などがあります。サウンドの品質、弾きやすさには何ら関係がなく、楽器に長い期間振動を与え、品質上むしろ向上してきたものと思います。楽器は新品の時より数年、十年と弾き続けた方がサウンドが良くなるものです。ラベルをよく見るとGOLDEN LEIERと赤字で記されています。ここは一般には黒インクで何か書くところですが、この機種は高級材木を使っているので、わざわざ赤でGOLDEN LEIERと書いたと思っています。トップ板以外は楓で作られています。よく見ると横向きに筋が模様として写っています。これはタイガー模様といってバイオリンでは重宝される高級材木です。